令和7年（2025年）9月、当社は「GIS－空間解析部」を設立しました。本部門は、これまで地質調査によって蓄積されてきた多くのデータや知見を、社会インフラの整備や維持管理において、より分かりやすく、効率的に活用することを目的としています。地形・地質・地下水などの情報をGIS（地理情報システム）上で一体的に扱い、空間的な関係を整理・分析することで、地盤の状況を総合的に把握します。

特に、ボーリング調査結果を基にした支持層分布の整理や、地下構造を立体的に表現する三次元地質モデルの作成により、従来の断面図だけでは捉えにくかった地質の広がりを直感的に理解できる「地質の可視化」を進めています。

近年、国の方針によって国土交通省を中心にBIM/CIMの活用を推進し、調査・設計・施工から完成後の維持管理まで、情報を一貫して活用することが重視されています。地質調査業は、高品質・高精度なボーリングおよび試験技術という「ハード」だけでなく、地質・地下水に関する知識や判断を「情報」として将来に引き継ぐ、ハード・ソフト一体型の産業です。そのため、調査時点で得られた知見を散逸させず、次の世代へと継続的に活かす仕組みが重要となります。

GIS－空間解析部では、地質・地下水に関する情報を整理・統合し、長期的に活用可能な形で引き継ぐことを目指しています。GIS・空間解析の技術を重要なカギとして、知識と情報を将来へつなぎ、安全で持続可能な社会基盤づくりに貢献してまいります。